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スクワット

スクワットで脚ではなく腰に効いてしまうとき

スクワットをしていて、脚ではなく腰で支えている感覚になることがあります。

自分の場合、原因は2つでした。バーを背負う位置が毎回違うことと、セット後半で 目線が下がることです。

そしてこの2つは、どのタイミングから腰に乗り始めるかで見分けられます。

  • 1レップ目から乗っている → バーを背負う位置の問題
  • セットの後半になってから乗ってくる → 目線と姿勢の問題

しゃがんでいる途中から急に乗ってくる場合は腹圧の問題だと考えていますが、自分の中で まだ答えが出ていないので、この記事では扱いません。

1レップ目から乗っている場合: 背負う位置が決まっていない

最初の1レップ目から腰で支えている感覚があるなら、フォームの崩れではなく、 スタート時点の位置の問題である可能性が高いです。

自分がそうでした。そして厄介なのは、背中のどこに乗せているのか、自分では 分からないことです。

背中の上部は広く、数センチ違っても感覚の差が分かりにくい。しかも毎回同じ位置に 乗せられているかどうか、確認する方法がありません。結果として、日によって位置が 変わり、ある日は腰に乗り、ある日は乗らない、という状態になります。

スクワットパッドで位置が安定した

これを解決したのがスクワットパッドでした。

ただし、痛みを和らげるためではありません。パッドがあると、毎回同じ場所に 乗せられるからです。パッドの幅と厚みが基準になるので、背負う位置が自動的に 固定されます。

「パッドは初心者向け」という意見をよく見かけますが、自分にとっては位置を 再現するための目印として機能しました。

パッドは本質ではない。要るのは自分の目印

パッドで安定したということは、裏を返せば自分にとって正しい位置が、自分の言葉に なっていなかったということです。

なので今は、位置を言葉で決めるようにしています。自分の場合、それは手首でした。

担いだときに、手首がまっすぐになる位置

正しい位置に乗っていると、前腕とバーが一直線になり、手首はまっすぐのままです。 バーが上や下にずれると、そのぶんを手首で吸収することになるので、手首が反ります。

この目印が効くのは、背中は自分では見えないのに、手首の角度は担いだ瞬間に 分かるからです。見えない場所の状態を、見える場所で確認していることになります。

位置が合った日と合っていない日の違いも、結局ここに出ていました。1レップ目で手首が 反っていたら、その日は担ぎ直します。

パッドは補助輪で、本当に必要なのはこの目印の方でした。目印さえあれば、パッドが 無い環境でも同じ位置を探せます。

後半になってから乗ってくる場合: 目線が下がっている

自分のメインの問題はこちらでした。

前半のセットでは力で押し戻せていたのが、後半になると腰で支える感覚が出てくる。 重量は同じなのに、セットが進むほど脚から腰に移っていく。

原因は目線でした。

疲れてくると、無意識に視線が床の方に落ちます。目線が下がると背中が丸まり、上体が 前に倒れる。その結果、支点が脚から腰側に移ります。自分では気づきにくく、 気づいたときには既に丸まっているのが厄介なところです。

効いたキュー1: 斜め上の一点を見続ける

やや上、30〜45度くらいの高さの一点を決めて、そこを見続けるようにしました。

自分が見ているのは、壁にかかっている飾りや模様です。動かないものなら何でも 構いません。ただし、セットに入る前に決めておくこと。しゃがみながら探すと、 探しているあいだに視線が動きます。

重要なのは角度そのものではなく、しゃがんでいる間も同じ点を見続けることです。 上を見ることではなく、視線を固定することが目的なので、首に無理のない範囲で 構いません。

しゃがむ動作に合わせて視線が動くと、結局そこで背中が丸まります。

効いたキュー2: 背中に1本の棒が刺さっている

目線だけだと、意識が一瞬で戻ってしまうことがありました。そこで追加したのが こちらです。

腰から背中、首まで、1本の棒が刺さっていると考える

この意識を持つと、背中が一直線の軸として安定します。目線の固定と組み合わせると、 後半でも姿勢が保ちやすくなりました。

「背筋を伸ばす」と考えるより、棒という物体をイメージする方が自分には効きました。 抽象的な指示は疲れている時ほど効きません。

スミスマシンでも同じことが起きた

これは原因を絞り込むうえで重要な発見でした。

最初は、フリーウェイトのバランスやバーの軌道のブレが原因だと思っていました。 ところがスミスマシンでスクワットをしても、同じように後半で腰に乗ってきた のです。

スミスマシンは軌道が固定されているので、バーの動きのブレは原因から外れます。 つまり問題はバーの側ではなく、自分の姿勢の側にあるということです。

もしスミスマシンでも同じ現象が起きるなら、軌道やバランスを疑うより、目線と姿勢を 先に確認した方が早いかもしれません。

効かなかったキュー: 足幅を広げる

よく見かけるアドバイスですが、自分には効きませんでした。

足幅を広げると、地面との接地の感覚が変わり、上半身のバランスが崩れました。 腰に乗る問題は解決せず、別の不安定さが増えただけでした。

足幅は、股関節の形や柔軟性によって適切な範囲が人それぞれ違います。腰に乗る原因が 姿勢の側にあるなら、足幅をいじっても解決しない、というのが自分の結論です。


見分けがついたら、次のセットに持ち込む一文は1つで足ります。1レップ目から乗って いるなら「手首がまっすぐになる位置に担ぐ」。後半から乗ってくるなら「斜め上の一点を 見続ける」。棒のイメージは、目線だけでは戻ってしまうときに足してください。